なぜ、ここまで時間がかかったかというと、①508ページという分厚い本であるということ、②そのため1つの章も長い、③それゆえに通勤時間の片道20分だけでは中途半端のため、まとまった時間のあるとき以外読まなかった といったところでしょうか? とにかくjじっくり読みたかったんです。
読み終わっての感想ですが、このブログに書くくらいですから言うまでもないとは思うけど、すごく感動しました。今まで読んだ小説では文句なしにNo.1ですね。
この小説のあらすじを簡単に説明すると、同じ寮(竹青荘)に住んでいる寛政大学の10人が、箱根駅伝を目指し、実際に走ってしまうというもの。2人は実績もある選手だけど、あとの8人は陸上素人。たった1年で箱根駅伝に出場してしまうというストーリーは、あまりにも現実とは乖離しています。
でも、とにかく描写がすばらしい。登場人物の心理だけではなく、合宿から予選会、箱根駅伝に至る背景、そして箱根駅伝の風景まで。読んでいるうちに自分も小説の世界に引き込まれ、メンバーの1人になったような気持ちになってしまいます。作者の三浦しをんは6年かけて取材を重ねたということですが、自分のような大の箱根駅伝ファンは言うに及ばず、普段は駅伝やマラソンを見ない人にも親切だと思います。
特に箱根駅伝を走るラスト200ページの部分は喫茶店で読んでいたのですが、何度となく目頭が熱くなってしまいました。読み終わって満足感や達成感とともに、読み終えてしまった寂しさも同時に感じてしまいました。
いやー、いい作品です。1890円とかなり高いけど、是非読んでもらいたいですね。自分も箱根駅伝のシーズンを待たずに、また読んでしまいそうです。